今回のテーマは、『<iDeCo>令和7年度税制改正で掛金限度額を増額へ!』です。
節税対策や老後に向けた資金準備の観点から利用されるケースの多い「iDeCo(個人型確定拠出年金)」ですが、政府は来年度の税制改正で掛金限度額の引き上げを検討しています。
ただし、受取時の課税が改正される予定のため、必ず出口戦略もセットでご利用を検討ください。
□■━━━掛金限度額の引き上げ案━━━■□
iDeCoとは、公的年金を補完するための資産形成を支援するための制度で、老後資金の準備に用いられる私的年金制度です。
掛金拠出時には全額所得控除の対象となるだけでなく、その運用益は非課税とされており、給付金を受け取る際にも退職所得控除や公的年金等控除の対象となるため、節税メリットが期待される制度といえるでしょう。
税制改正に向けて掛金限度額の拡充が検討されており、具体的には下記のような引き上げ案が挙がっているようです。
☞令和6年12月20日に、下記の内容で、与党から令和7年度税制改正大綱が公表されました。
詳細はこちらをご確認ください。
<DB(確定給付年金)・企業型DCに加入している会社員>
現行:月額5.5万円-他制度の掛金(2万円が上限)
改正案:月額6.2万円-他制度の掛金
<DB(確定給付年金)・企業型DCに加入していない会社員>
現行:月額2.3万円
改正案:月額6.2万円
<自営業者等やフリーランス>
現行:月額6.8万円
改正案:月額7.5万円
<専業主婦(主夫)>
現行:月額2.3万円
改正案:月額2.3万円
□■━━━出口戦略が「増税」される可能性も━━━■□
iDeCoの掛金限度額が引き上げられることで、節税効果もますます高まり、制度利用者の拡大が見込まれます。
しかし、その一方で退職金課税の強化については、たびたび国会でも議論されており、将来的に退職金に対する増税が行われれば、iDeCoの給付金を受け取る際の「出口戦略」にも大きな影響を及ぼしかねません。
現行の税制に対する理解はもちろんのこと、将来の税制改正による増税リスクについても念頭に置いたうえで、制度を利用すべきかどうかを判断しましょう。
☞こちらも令和7年度税制改正大綱にて、改正案が公表されました。
具体的には、退職所得控除の調整期間が、現行5年内だったものが、10年内に拡大される見込みです。(詳細はこちら)
この改正により、出口戦略が今まで以上に重要となるため、必ず、出口戦略も考えて制度利用を検討していきましょう。
□■━━━まとめ━━━■□
利用者が拡大するiDeCoについて、令和7年度税制改正では、掛金限度額の引き上げが検討されています。
掛金増額によってさらなる節税効果が期待される一方で、将来的に退職金課税が強化されるリスクについても知っておきましょう。
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